お悩み別ガイド
仕入先とのやりとりがバラバラ。
相手を変えずに、記録を1か所に集める。
A社は電話、B社はFAX、C社は担当者個人のLINE。発注も納期確認も価格改定の連絡も、来た場所に散らばったまま——。このページでは、仕入先には何も求めずに自社側の窓口と記録を一本化する方法と、AIが効く場所を整理します。
やりとりが散らばると、何が起きるか
仕入先ごとに連絡手段が違うこと自体は、悪いことではありません。長い付き合いの中でお互いに一番楽な手段に落ち着いた結果です。問題は、散らばったやりとりが会社の記録として残らないことです。典型的にはこうなります。
- 「言った・言わない」が確かめられない。電話で受けた納期変更がメモにも残らず、現場は元の納期で段取りを組んでいた。
- 価格改定が担当者止まりになる。仕入先から「来月から単価を上げたい」と電話があったのに、聞いた本人しか知らない。見積や販売価格に反映されず、気づいたら利益が薄くなっていた。
- 発注履歴が組み立てられない。「この部材、前回いくらでいつ頼んだか」を調べるのに、FAXの控え・メール・LINEのトークを行き来する。
- 担当者が休むと発注が止まる。仕入先の連絡先も頼み方も、その人のスマホと頭の中にしかない。
特に個人LINEでの発注は要注意です。便利な半面、退職と同時にやりとりの履歴ごと社外に消えます。
解き方の順番:相手を変えず、受け皿を作る
ここでよくある失敗が、「全仕入先にメール(または発注システム)へ統一をお願いする」ことです。相手にも都合があり、長年の関係に負担をかけます。現実的な順番は逆で、相手の連絡手段はそのまま、自社側に記録の受け皿を1つ作ることから始めます。
1. 発注台帳を1つ決める
スプレッドシートでも、社内チャットの専用スレッドでも構いません。「仕入先・品目・数量・単価・納期・連絡を受けた日と手段」を1行ずつ記録する場所を1つに決めます。道具選びより、「ここを見れば全部ある」状態を作ることが先です。
2. 記録の手間をAIで限りなくゼロに近づける
台帳が続かない最大の理由は転記の面倒くささです。ここがAIの出番です。電話を切った直後に「◯◯商店、A品100個、単価据え置き、納期来週金曜」と音声やチャットで話すだけで、AIが台帳の形式に整えて追記する。FAXやPDFの注文請書は、AI-OCR(読み取り技術)で品目と数量を抜き出して台帳に載せる。人がやるのは「起きたことを一言残す」ことだけにします。
3. 価格改定・納期変更は「共有される場所」に流す
台帳に「価格改定」「納期変更」の印を付けた行だけを、社内チャットに自動で流す仕組みを足すと、担当者止まり問題が解けます。値上げ連絡が入った瞬間に、見積担当や経営者にも同じ情報が届く。仕入価格の変化が販売価格の判断に間に合うようになります。
4. 個人LINEは「会社の窓口」へ寄せる
個人LINEでのやりとりが根付いている仕入先には、LINE公式アカウントなど会社として履歴が残る窓口へ少しずつ移す方法があります。相手の操作はほぼ変わらないため、メール強制より現実的です。
こんな会社に向いています / 向いていません
| 向いている | 仕入先が10社以上あり連絡手段が混在している/納期変更や価格改定の伝達漏れで困った経験がある/発注が特定の担当者に集中し、その人が休むと止まる/個人LINEでの発注が常態化している |
|---|---|
| 効果が限定的 | 仕入先が2〜3社で発注も定期・定量、変化がほぼない/すでに受発注システム(EDI)で主要な仕入先とつながっている/発注業務そのものを外部に委託している |
よくある質問
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仕入先に「今後はこの方法で連絡してください」と頼めるものでしょうか?
相手に合わせるのが基本です。長年FAXの仕入先に急にメールを強いると関係に響きます。現実的なのは、相手の連絡手段は変えずに、自社側で受けた内容を1か所に記録する仕組みを作ることです。相手を変えるのではなく、自社の受け皿を変えます。
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電話で受けた発注や納期変更は、どうやって記録に残しますか?
電話を切った直後に、音声入力やチャットで数十秒メモを残す運用が現実的です。「◯◯商店、A品の納期が金曜から月曜に変更」と話すだけで、AIが整った記録文にして台帳に追記する形が組めます。書き起こしの手間を限りなく小さくするのがコツです。
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担当者が「自分で覚えているから必要ない」と言います。
実際、本人が現役の間は回ってしまうことが多いです。問題は休暇・急病・退職のときに誰も引き継げないことです。担当者に追加の手間を求めるのではなく、いまのやりとりの後ろで自動的に記録が残る形にすると、抵抗なく始めやすくなります。
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仕入先ごとの単価や条件をAIツールに入れて大丈夫ですか?
仕入価格は社外に出したくない情報の代表格です。入力データを学習に使わない設定や法人向けプランの利用、どの情報をどのツールまで載せてよいかの線引きを、始める前に決めておくことをおすすめします。この整理も支援範囲です。
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発注システム(EDI)の導入とは何が違いますか?
EDIのような発注システムは、仕入先側も同じ仕組みに乗る必要があり、中小の仕入先が多いと導入のハードルが上がります。このページで扱うのは、相手には何も求めず自社側の記録と共有だけを整える方法です。将来システム化する場合も、整理された発注履歴はそのまま土台になります。
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