お悩み別ガイド
在庫・発注の管理が手作業・勘のまま。
最初にやるのは予測ではなく「記録」。
発注はベテランの勘、棚卸しは月末に目視で数える。それでも回ってきたが、発注忘れの欠品や「奥から出てきた大量の在庫」が何度か続いている——。このページでは、いきなりAIの需要予測を狙わず、まず「記録が残る仕組み」から作るという現実的な順序を整理します。
手作業・勘の管理で起きる、典型的な事故
在庫と発注の困りごとは、業種を問わずよく似ています。
- 発注忘れによる欠品。「切れそうなのは分かっていたが、電話が入って忘れた」。売り逃しや現場の停止につながる。
- 過剰在庫。不安だから多めに頼む、が積み重なり、棚の奥で眠る資材や期限切れの材料になる。お金が棚で寝ている状態。
- 二重発注。頼んだかどうか記録がなく、念のためもう一度頼んだら両方届いた。
- 担当者不在で発注が止まる。発注点も取引先とのやりとりも1人の頭の中。その人が休むと誰も動けない。
共通の根っこは1つで、「今いくつあって、いつ頼んだか」が記録として残っていないことです。勘が悪いのではなく、勘しか頼るものがない状態が問題です。
順序を間違えない:記録 → アラート → 予測
第1段階:記録が「勝手に残る」仕組みを作る
紙の台帳やホワイトボードに書け、ではこれまでと同じ失敗を繰り返します。ポイントは記録の手間を数秒にすることです。使った分をスマホで撮る、納品書を写真に撮ればAIが品目と数量を読み取って表に足す、現場からLINEで「◯◯を2個使った」と送るだけ、といった形なら現場は続けられます。記録するのは人、整理するのはAIという分担です。
第2段階:発注アラートと「動かない在庫」の見える化
残数が記録されるようになったら、品目ごとに発注点(残りいくつで頼むか)を決め、下回ったら通知が飛ぶようにします。これだけで「思い出す」仕事が仕組みに移り、発注忘れと二重発注は大きく減らせます。あわせて、AIに月次で「3か月動いていない在庫」「急に出が増えた品目」を一覧にさせると、過剰在庫が数字で見えるようになります。
第3段階:データが貯まってから、予測を考える
「AIが需要を予測して自動発注」という絵は魅力的ですが、まともな予測には過去の正確な記録が必要です。記録が始まって数か月〜数年、季節を一巡してからようやく検討の土台に乗ります。先に断っておきたいのは、多くの会社では第2段階までで困りごとの大半が解消するということです。予測は目的ではなく、余裕ができてからの上積みと考えてください。
こんな会社に向いています / 効果が限定的です
| 向いている | 発注忘れによる欠品や二重発注が年に数回起きている/棚卸しのたびに「帳簿と合わない」が発生する/発注業務が特定の1人に依存している/扱う品目が数十以上あり頭で覚えきれない量になっている |
|---|---|
| 効果が限定的 | 品目が数点しかなく、目視で十分把握できている/受注生産で在庫をほぼ持たない業態/記録の手間を数秒にしても、現場に協力する意思がまったく得られない場合(先に運用の合意づくりが必要) |
在庫をほぼ持たない業態なら、このテーマより発注書・請求書まわりの自動化の方が効くはずです。入り口の選び直しから相談に乗ります。
よくある質問
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AIで需要予測をして、発注を全部自動化できますか?
いきなりは無理ですし、目指さない方がよいです。精緻な需要予測には数年分の正確な販売・在庫データが必要で、記録が勘と手書きの状態から一足飛びには行けません。まず記録が残る仕組みを作り、数か月分のデータが貯まってから、発注アラートのような単純な仕組みで十分な成果が出ます。予測はその先の話です。
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高い在庫管理システムを導入しないとだめですか?
最初から専用システムは不要な場合が多いです。共有のスプレッドシートに「品目・入出庫・残数」が記録される形を作り、そこに発注点のアラートを付けるだけでも、発注忘れ対策としては機能します。品目数が数百を超える、複数拠点で動かすなど、表で回らなくなってからシステムを検討すれば十分です。
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現場が忙しくて、入出庫の記録なんて付けてくれません。
紙の台帳に書け、では続きません。使った分をスマホで撮る、バーコードを読む、LINEで「◯◯ 2個使用」と送るだけ、など記録の手間を数秒に抑える設計が前提です。送られた内容を表に整理する部分はAIと自動化が引き受けられます。記録が続かないのは現場の怠慢ではなく、仕組みの設計の問題です。
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発注アラートとは、具体的にどういう仕組みですか?
品目ごとに「残りが◯個を切ったら知らせる」という発注点を決めておき、記録上の残数がそこを下回ったら担当者に通知が飛ぶ仕組みです。発注自体は人が判断して行うので、勘の良さはそのまま活かせます。「思い出す」仕事だけを仕組みに渡すのがポイントで、発注忘れの多くはこれで防げるようになります。
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ベテランの発注の勘は、もう不要になるのですか?
不要にはなりません。天候・行事・取引先の癖といった数字に出ない読みは、当面人にしかできない領域です。仕組みが担うのは「数を数える・思い出す・集計する」の部分で、ベテランの判断はむしろ記録と組み合わさることで、他の人にも説明できる形で会社に残せるようになります。
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