お悩み別ガイド
Excelの手作業・コピペが減らない。
「関数を覚える」より先にやること。
月初になると、あちこちのファイルからコピペして集計表を作る。毎月まったく同じ手順なのに、毎月半日かかる——。このページでは、AIや自動化で手作業がどこまで置き換わるかと、「関数を覚える」より「作業自体をなくす」という発想の切り替え方を整理します。
毎月繰り返される「手作業の典型パターン」
会社によって業務は違っても、Excelの手作業は驚くほど似た形をしています。
- 転記。販売管理ソフトや銀行サイトからダウンロードしたデータを、社内の集計フォーマットに貼り替える。
- 合体。各支店・各担当から送られてくる同じ形式のファイルを、1つのシートにまとめる。
- 整形。日付の形式を直す、全角半角を揃える、不要な行を消す。中身は変えないのに時間がかかる。
- 二重入力。同じ数字をExcelにも基幹システムにも入れる。どちらかが更新されると、もう片方と食い違う。
共通するのは、毎回同じ手順で、判断がほとんど要らないことです。人がやる理由は「昔からそうしているから」以外にないことが多く、これはそのまま自動化の条件に一致します。
発想の転換:「速くやる」ではなく「やらない」
「社員にExcel研修を受けさせよう」と考える前に、一段上から見直す価値があります。転記が発生するのは、データの置き場所が分かれていて人が手で運んでいるからです。運ぶ経路そのものを自動でつなげば、関数を覚える必要すらありません。
いまはAIに「このCSVを毎月この形式に集計したい」と日本語で伝えれば、手順や仕組みの案を作らせることができます。数式の文法を暗記する時代から、やりたいことを言葉で伝える時代に変わりつつあります。
誰も直せない「属人マクロ」という時限爆弾
Excel自動化の話で必ず触れておきたいのが、前任者が作った、誰も中身を知らないマクロの問題です。作った本人が異動・退職したあともマクロだけが動き続け、ある日エラーで止まると業務ごと止まる。心当たりのある会社は少なくないはずです。
皮肉なことに、これは過去の「発想A」の成れの果てです。同じ轍を踏まないために、これから自動化するなら次の3点をセットにします。
- 何をしている仕組みか、日本語の説明書を残す。AIに仕組みの中身を読ませて説明文を書かせれば、この手間は大きく下がります。
- 特定の1人のパソコンの中だけに置かない。共有の場所に置き、動かし方を複数人が知っている状態にします。
- 壊れたときの逃げ道を決めておく。「止まったら手作業に戻せる」手順を残しておくと、止まっても業務は続きます。
こんな会社に向いています / 効果が限定的です
| 向いている | 月初・月末に決まったExcel作業が発生する/複数のファイルやシステム間で同じ数字を二重入力している/集計作業が特定の1人に集中している/前任者のマクロがブラックボックスになっている |
|---|---|
| 効果が限定的 | Excel作業が不定期で毎回内容が違う/データの大半が紙のままでExcelに入る前の入力が主な負担(その場合は紙のデジタル化が先)/該当作業が月に30分程度で済んでいる |
紙からの入力が主戦場なら、Excel加工の自動化より先に取り組むべき場所が別にあります。診断の段階でその見極めからお手伝いします。
よくある質問
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社員がExcelの関数やマクロを勉強すれば解決しますか?
解決することもありますが、順序が逆になりがちです。先に「その転記・加工は本当に必要か」を見直すと、勉強するまでもなく消せる作業が見つかります。残った作業についても、いまはAIに日本語で頼めば関数やマクロの案を作ってくれるので、社員が文法を暗記する必要性は下がっています。
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前任者が作ったマクロが壊れたら、AIで直せますか?
AIにマクロの中身を読ませて「何をしているか」を日本語で説明させることはできますし、修正案を出させることもできます。ただし元の設計が複雑だと修正のたびに別の箇所が壊れることもあるため、延命し続けるより、この機会に仕組みごと作り直した方が安全な場合も多いです。どちらが得かは中身を見て判断します。
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AIとRPA、どちらを使えばよいのですか?
手順が完全に固定された繰り返し(毎月同じファイルの同じ列を転記する等)はRPAや単純な自動化が向き、内容の読み取りや文章化が絡む作業(PDFの内容を判読して分類する等)はAIが向きます。実務では両方を組み合わせることが多く、名前で選ぶより「作業の中身」で選ぶのが正解です。
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Excel自体をやめて別のシステムに移行すべきですか?
必ずしも移行は必要ありません。Excelは悪者ではなく、問題は「人が手で運んでいる」ことです。データの受け渡しを自動にすれば、見た目はいまのExcelのまま手作業だけが消える、という形も作れます。システム移行は既存の道具で足りないと分かってからの選択肢です。
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どの作業から自動化すればよいですか?
「毎月(毎週)」「同じ手順」「判断がほぼ要らない」の3つが揃った作業からです。月初の売上集計、請求データの転記、支店別ファイルの合体などが典型です。頻度が低い作業や毎回判断が変わる作業は後回しで構いません。最初の1本が回り始めると、次の候補は現場から自然に挙がってきます。
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